独立起業のすすめ

バーチャルオフィスでも口座開設ができる!押さえておくべきポイント

2021.10.25

新しく会社や事業を設立する際、手軽で使い勝手の良いバーチャルオフィスを利用したいと考える人も多いでしょう。

しかし、実際にバーチャルオフィスを利用している人に聞くと「銀行口座が開設できない」といった声がちらほら。

バーチャルオフィスと契約を交わし、いざ仕事を始める段階になってから要となる口座が開けないとなると大問題です。 本記事では本当にバーチャルオフィスの住所では口座が開設できないのか、できないと言われる理由は何なのか、また口座開設をするためのポイントなどについて詳しく解説します。

バーチャルオフィスの登記住所で銀行口座開設は可能?


結果から言うと、バーチャルオフィスの住所を使って新しい口座を作ることは可能です。

しかし、個人の口座を開設する時のように簡単ではなく、厳しい審査を通過する必要があります。

また、バーチャルオフィスにおける口座開設のルールが明確化されているわけではないため、新しく口座を作れるか否かは相談する銀行次第ということになります。

銀行によって審査基準は異なりますが、目当てとなる銀行についてよく知り、十分な下準備をしておけば、たとえバーチャルオフィスでも問題なく口座は開設できるでしょう。

バーチャルオフィスでの新規銀行口座開設が厳しくなった理由


バーチャルオフィスでの口座開設が難しくなった理由には、犯罪収益移転防止法が関係しています。

犯罪収益移転防止法とは、犯罪から得た収益の移転いわゆる「マネーロンダリング」を防止して、さらなる犯罪を起こさせないための法律です。

そもそもマネーロンダリングとは、麻薬取引や脱税などで不正に得たお金を、架空口座や他人名義の銀行口座を転々とさせて、その出所を曖昧にしてから取得することをいいます。

こういった犯罪を防ぐため、平成20年に犯罪収益移転防止法が制定されました。

この法のもと、銀行や証券会社などを「特定事業者」と位置づけ、取引を行う相手に対し本人確認や取引の目的、法人の場合は事業内容などを厳しく審査することを義務付けています。

それらに加えて近年では特殊詐欺などが横行し、その際バーチャルオフィスやレンタルオフィスが使われることが多いため、一向に警察や銀行側からのイメージが改善しないというのも理由の一つでしょう。

そういったことから、銀行によってはバーチャルオフィスを利用している時点で「業務実態がない」「信頼性に欠ける」と口座の開設が許可されないことがあります。

しかし、基本的には頭ごなしに断られたり、審査の際に不利になったりすることはありません。

事業内容の説明や本人確認に関する書類など、事前準備をしていけば新規で銀行口座を開設することが可能です。

バーチャルオフィスで銀行口座を開設するためのポイント


銀行口座は、個人が開設する場合でも本人確認が厳格化しているため、バーチャルオフィスを利用した法人となるとその厳しさは想像できると思います。

銀行によって対応はさまざまですが、基本的には「犯罪に利用される可能性はないか」と疑われているという前提で下準備しておく必要があります。

事業目的を明確化させる

事業を始める目的やその内容が曖昧だったり、複雑だったりすると、銀行側も企業の実態を把握するのが難しくなります。

銀行側の理解が得られない場合、企業に対する心証が悪くなってしまい、審査でも厳しく評価されがちです。

何の目的があってどんな事業を行っていくのか、商品はどういったものなのか、などについて端的に分かりやすく説明できるよう準備をしておきましょう。

素人にも分かるほど簡単に説明をした方が理解されやすいため、少しかみ砕いた内容にしすぎたかな、というくらいが適切です。

代表者以外が口座の開設を行う際は、業務内容に加えて代表者の履歴書や業務経歴書などを提示した方が効果的でしょう。

それまでにすでに事業を展開していた場合は、実際に発行した契約書や領収書、資料なども重要な証明となります。

可能な限り、揃えて持参しましょう。

資本金を用意する

個人であれば口座の開設に際して預貯金などを提示する必要はありませんが、法人として開設したい時には資本金の提示が求められます。

法人口座を開設する際、極端に言ってしまえば1円でもあれば口座の開設は可能ですが、あまりに資本金が少ないと「本当に運営していく気があるのか」「今後続けていけるのか」などと継続性を疑われる原因になってしまいます。

「これから事業を始めたい」「大きくしていきたい」という意気込みを伝えるためにも、ある程度の資金を用意しておいた方が、銀行からの信頼も高くなるでしょう。

事業の規模によっても異なりますが、100万円ほど提示できると安心です。

法人名にも注意が必要

会社を設立する際、気を付けたいのが社名です。

こちらに全くそのつもりがなくても、実は社名が反社会的な活動を行った法人と似たようなものになっているケースがあります。

銀行側が詳しく調査をしてくれれば、全く別の会社であることは明らかですが、そこまでしてくれるかどうかの確約はありません。

また、そういった可能性を疑われるだけでイメージダウンに繋がるため、社名を考える際は安易に決めず、自身でもよく調べましょう。

借りた住所の近くで銀行を探す

決してルールがあるわけではありませんが、バーチャルオフィスとして借りた住所と口座を開設する銀行は近い方が審査に通りやすい傾向があります。

あまりに遠方だと何かあった時の対応や、そもそもの取引がしにくいといったイメージを持たれてしまうことがあるようです。

よほどの理由がない場合は、契約した住所から近い場所の銀行で口座開設を申し込みましょう。

一方、ネット銀行の場合は住所を気にしなくてもいいのがメリットですが、バーチャルオフィスでの口座開設は一般の銀行に比べると困難とされています。

しかし全体的に基準が緩和されてきている傾向はあるため、一度相談してみるのもおすすめです。

すでに口座を持っている銀行を利用する

それまでに個人として口座を持っていた銀行であれば、取引があるとしてバーチャルオフィスでの開設にも柔軟に対応してくれるケースがあります。

こちらも、あまりに遠方だと難しいかもしれませんが、借りた住所の近くに支店がある場合はまず相談してみるといいでしょう。

銀行の審査基準を調べておく

一言で「銀行」と言っても、都市銀行から地方銀行、信用金庫、ネット銀行などさまざまです。

どれを取っても口座の新規開設における審査基準が全く同じということはなく、それぞれの銀行によって少しずつ必要書類や審査方法に違いがあります。

一つの情報だけで判断せず、相談する銀行ごとに連絡したり、直接窓口に足を運んだりしながら口座開設に関する情報を集めましょう。

一般的には、メガバンクと言われる大手よりも、地域密着型の姿勢を大切にしている地方銀行の方が審査は優しいとされています。

オフィスから近い方が審査に通りやすくなるという一面はありますが、審査のハードルだけで考えるなら、地元の銀行から相談してみるのも一つでしょう。

固定電話を契約する

多くの人が忘れがちなのが、固定電話を用意することです。

実は、銀行で法人用の口座を開設する際、固定電話の番号を求められるケースが多いのです。

最近は常にスマートフォンを連絡先とし、反対に固定電話を解約する人が増えていますが、銀行の中には固定電話番号の所有を口座開設の必須条件としているところが珍しくありません。

固定電話の有無が実態のある法人であるかどうかを判断する目安にもなっているため、銀行に相談に向かう前に必ず用意しておきましょう。

ここで虚偽の番号や代わりの番号などを伝えてしまうと、確認の電話がかかってきた際にトラブルの元となります。

そうなると審査どころではなくなってしまうため、注意が必要です。

身だしなみに注意する

銀行に相談に行く際は、受験や就職の面接と同じような心持ちで挑むべきです。

法人の場合は一般と別のスペースに案内された上での対応となることがほとんどで、受付から案内、相談、審査などはそれぞれ異なる担当者が対応してくれることになります。

どの担当者にも良い印象を持ってもらうためにも、身だしなみには十分気を付けることが大切です。

服装としてはスーツ必須というわけではなく、男性なら白いシャツ、女性ならワンピースなどで問題ありません。

あまりカジュアルな服装は、相手によってマイナスイメージを持たれてしまうこともあるので、迷ってしまう場合はスーツが無難でしょう。

髪型や爪、足元も気を遣ってほしいポイントです。

お金のやり取りをする機関だということもあり、銀行は思っている以上に官僚的な機関です。 あまり清潔感がないと、仕事の面での信頼性にも影響するので気を付けましょう。

バーチャルオフィスで銀行口座を開設するための必要書類


銀行で法人用の口座を開設する際は、前述した犯罪収益移転防止法に基づいて、多くの書類や資料が必要となります。

多くの銀行で必要となる書類

ここに記載のある書類は、基本的にどの銀行で口座を開設する際にも提示を求められる書類です。

どのようなものなのか、簡単に解説していきます。

履歴事項全部証明書(原本・発行6ヶ月以内)

法務局に登録されている会社情報が分かる書類です。

法人の現在の状況だけでなく、3年前の1月1日から現在までに変更された登記履歴も確認することができます。

会社の所在地や代表者情報、役員情報、事業内容などが記載されており、信頼できる相手に値するかどうかの目安となります。

以前は紙による保存でしたが、現在はデータとして管理されており、請求時にプリントアウトされたものを受け取ります。

代表者身分証明書

代表者の身分証明書は、必ず写真付きのものを用意しなければなりません。

運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど、代表者の顔が映っている公的証明書を持参しましょう。

法人の登記簿謄本

法人の登記情報が載っている登記簿をそのまま写した書類です。

会社名や所在地、代表者氏名などが記載されており、一目見ればその会社が誰にどういった目的で運営されているかが分かるようになっています。

代表者の職務経歴書

これまでの職業履歴や内容、スキルなどを記した経歴書です。

自分がこれまでどのような業界でどういった業務に携わってきたかをアピールするための書類で、相手に個人が転職する際などに提出することもあります。

口座開設者と法人の関係を証明する書類

法人の代表者が自ら口座の開設審査や手続きに赴く場合は不要ですが、社員などに代理を依頼する際には委任状などの書類が必要です。

代表者と手続きを行う人の関係性が分かるように記載しましょう。

銀行印

法人でなくても、口座を開設する際には銀行印を用意しなければなりません。

直径1.65cmで、印鑑の中央に「銀行之印」、その周りに会社名を入れて作成するのが一般的です。

法人の印鑑証明書(原本・発行6ヶ月以内)

一般的な印鑑証明書と同様に、書類の捺印などで使用している印鑑が間違いなく会社の印鑑であることを証明するものです。

ただし、個人であれば住んでいる市町村で手続きを行うことができますが、法人の場合は法務局の管轄になるため注意が必要です。

法人設立届出書

新しく会社を設立する際、設立したことを知らせるために税務署に提出する書類です。

そこに記載された所在地をもとに、法人税の納税書が送付されてきます。

法人番号指定通知書

法人番号は、申請した法人に対して国税庁が与える13桁の識別番号で、対象の法人に通知された後、原則として一般に公表されます。

銀行側が通知書に記載された番号で検索すれば、会社の名称や所在地などが閲覧できるようになっています。

出資者名簿

会社を設立した際に出資してくれた個人の氏名、あるいは法人の名称と出資額などについて記載されている名簿です。

これはあくまでも株式会社ではない法人の場合で、株式会社であれば株主名簿となります。

事業計画書

これからどのような事業を行っていくのか、展開させていくのか、という会社における計画を記した書類です。

中でも銀行側が気にするのが、今後の事業戦略や収益見込みについての項目でしょう。

当然のことながら、将来性のない会社と取引してくれる銀行はありません。

事業計画書は、会社の理念や目的の他、それに伴っていかに収益を出しながら会社を運営していくのかというプランについて、実現可能な内容で示しておく必要があります。

用意しておくと良い資料


ここからは、自主的に用意しておくと銀行によっては有利に働く資料について説明します。

バーチャルオフィス契約書

バーチャルオフィスサービスを扱っている会社は多くあり、中には残念ながら過去に犯罪に巻き込まれたという会社も少なからず存在します。

そのため、銀行側のバーチャルオフィスへのイメージはなかなか良くならないのが実情です。

全てのバーチャルオフィスがそうではない、と銀行側も理解しているため、頭ごなしに口座開設を断られることはありません。

しかし、少しでもクリーンな印象を与えるためにも、自身が契約しているバーチャルオフィスの契約書を用意し、何かあれば提示できるようにしておきましょう。

官公庁発行の許可証等

営業許可証や販売許可証など、各行政機関によって発行された公式の許可証や免許証などがあれば持参しましょう。

ただし、今回の事業に関係がない書類は無効です。

もし全く所有していない場合も、他にこれらに準じた書類であれば提示することができます。

「どの証明が有効かよく分からない」という方は、事業内容などが記載されている書類をまとめて持参すると安心です。

法人の実態確認資料(会社概要・パンフレットなど)

「ちゃんと実態がありますよ」「こんな仕事ですよ」と最も手軽にアピールできるのが、会社の概要や広告が記載された資料です。

銀行側は、反社会的活動や犯罪とのつながりの有無を確認するために、さまざまなチェックを行います。 これらに加えて実際の契約書や領収書など、クリーンに事業を行っていることを証明する資料を多く用意しておくと安心です。

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いかがでしたでしょうか。

この記事を読んでいただくことで、バーチャルオフィスを利用する際の新規口座開設についてご理解いただけたと思います。

実際は、バーチャルオフィスを利用しながら口座を開設している人も多くいます。

ただし、普段個人が開設するのに比べると審査が複雑で、ハードルも高くなるでしょう。

銀行からの信頼を得てスムーズに口座を開設するためにも、優良なバーチャルオフィスを選びましょう。

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