独立起業のすすめ

バーチャルオフィスは違法じゃない!ルールを知って安全に利用しよう

2021.10.25

コロナ禍でリモートワークなどが増えたこともあり、よく耳にするようになったバーチャルオフィス。

直訳すると「仮想の会社」ですが、その言葉通り住所の場所には「会社」が実在せず、レンタルオフィスを扱う事業者が提供する「住所貸し」というサービスを利用する形となります。

「住所貸し」と聞くと、中には怪しいイメージがあったり「違法じゃないの?」と思ってしまったりする方もいることでしょう。 そこで本記事では、バーチャルオフィスの違法性や活用法、正しいバーチャルオフィスの選び方などについて分かりやすく解説します。

バーチャルオフィスの住所貸しは違法か


結論から言うと、バーチャルオフィスとして住所を貸し借りすること自体は全く違法ではありません。

住所を貸し出す側は、明らかに違法行為が関係していると認識していない限り問題はなく、借りる側も一定の条件を満たしていれば法に問われることはないのです。

会社が実在しないバーチャルオフィスであっても、会社側は原則として法人登記をする必要があります。

法人登記とは、会社の本社所在地や代表者、事業の目的などの情報を法務局に届け出し、一般に開示できるようにする手続きです。

その手続きを踏めば、物理的な事務所としての会社が実在するか否かは重要ではなく、違法行為にはあたりません。

バーチャルオフィスを利用しても問題のない業種や法人格


基本的に、一般の株式会社や社団法人など、法人扱いとなる会社であればバーチャルオフィスを利用できます。

法人登記を行う際も、借りている住所のまま問題なく申請が可能です。

ただし、それ以降は申請した住所に郵便物などが届くことになるため、転送サービスなどを利用して確実に受け取れる工夫をしておきましょう。

住所貸しが違法になる業種一覧


一方、バーチャルオフィスの利用が許可されていない業種も存在します。

これは、バーチャルオフィスを利用すること自体が違法になるということではなく、行政機関において各条件が指定されていることが理由です。

人材派遣業

人材派遣業は、開業条件として事業所の面積が20㎡以上であること、位置が適切であることなど、建物自体に課される条件が存在します。

また、自身が建物を所有している場合は登記事項証明書、賃貸物件で営業を行う場合は使用賃借書のいずれかを提示することが条件となっているため、会社の実態がなければ申請もできません。

職業紹介業

職業紹介事業を始める際は、各都道府県にある労働局を通じて厚生労働局から許可を得る必要があります。

しかし職業紹介業も人材派遣業と同様に、申請時に実在する事業所の有無について問われるため、バーチャルオフィスは利用できません。

廃棄物処理業

産業廃棄物などの処理を請け負う業者は、都道府県や政令指定都市からの許可がなければ運営できません。

許可を得るためには、実際に処理を行う施設や能力が、適切かつ継続的に維持されることが条件となるため、バーチャルオフィスでは適さないと言えます。

金融商品取引業者

金融商品取引業者といえば最も身近なものが銀行ですが、その他にFX業者など投資に関わる運用や助言、代行をする会社などもあります。

それらの業務を営む際、事務所の図面やそれぞれの配置図、賃借書などを揃えて提出する必要があるため、必ず事務所を用意しなければなりません。

弁護士・税理士などの士業

弁護士、税理士だけでなく、司法書士や公認会計士、社会保険労務士など、いわゆる士業と呼ばれる職業の人が自身で開業する場合、事務所の設立が必須条件となっています。

中には事務所の表札や、相談者等の来訪者のプライバシーを守るためのスペースを用意することが申請書に明記されている職業もあり、バーチャルオフィスでは許可を得られません。

不動産業

不動産業において「宅建」という資格名を耳にしたことがあると思います。

その「宅建」はこれまで「宅地建物取引主任者」と呼ばれていましたが、平成27年に宅地建物取引業法が改正された際、「宅地建物取引士」という名称に変更されました。

つまり、前述した士業に含まれることになったのです。

そのため、原則として他の士業と同様に事務所や区切られたスペースなどを用意する必要があります。

古物商

中古品を扱って販売する際は、各都道府県にある公安委員会の許可なしには営業が始められません。

また、取り扱う商品や在庫を保管している店舗や倉庫などについても申請が必要です。

特殊な商品を扱う商売となるため、実際に店舗を構えて顧客が問い合わせた時にすぐに対応できるように、といった意味もあるようです。

風俗業

風俗営業は、公安委員会の管轄になり、開業の際は必ず警察署に申請する必要があります。 条件が厳しく、その中に必ず実店舗を用意するという決まりが存在するため、バーチャルオフィスは認められません。

バーチャルオフィスの違法性が問われる理由


バーチャルオフィス自体は違法ではないにも関わらず、質問サイトなどでは利用することに対する不安の声が多く見受けられます。

このような状況になっている理由は、一体どこにあるのでしょうか。

バーチャルオフィスを利用した詐欺事件が多発したため

まず1つ目の理由としては、バーチャルオフィスを使った犯罪が横行したことが挙げられます。

今でこそバーチャルオフィスは多くの企業や業種で認められていますが、サービスが始まったばかりの頃は単なる「住所貸し」というイメージがありました。

実際に犯罪者側からすると、身元がバレにくい分何かあれば逃げることができ、それでいてどんな一等地でも気軽に借りられるため顧客の信用を得やすいなどメリットだらけです。

過去には、知らない間に詐欺集団の事務所として登録されていた、「読むだけで稼げる」など嘘の情報商材を販売する業者に使われていた、などという犯罪事例も多く、その度にバーチャルオフィスという名称が出るため、負のイメージを持っている人も多いのでしょう。

最近では、厳しい事前審査を設けている会社も多く、以前に比べると犯罪も減少しています。

銀行口座の開設に壁があるため

もう1つの理由が、平成20年に施行された犯罪収益移転防止法の影響です。

犯罪収益移転防止法とは、犯罪で得た収益をさらなる犯罪の資金として提供するのを防ぐ目的で作られたものです。

この法に基づき、バーチャルオフィスを利用する企業などが銀行口座を開設しようとした際は、その人物や法人に対する厳しい審査が義務付けられています。

実際この法律ができてからは、住所を借りた状態で審査に通るのは難しくなっています。バーチャルオフィスという時点で口座が開設できない銀行もありますが、中には事業内容などを明確に提示できれば、一般企業と同様に口座を持てることもあります。 万が一断られた場合は、他の金融機関に問い合わせてみましょう。

信頼できるバーチャルオフィスを見分ける方法


バーチャルオフィスサービスを行っている会社は多くありますが、中には残念ながら犯罪に巻き込まれた住所も存在します。

そういった会社と契約してしまうと自社の信頼に関わるだけでなく、そもそも企業として申請できないケースもあります。

安心して利用できるバーチャルオフィスの見分け方について知っておきましょう。

会社情報が明記されているか

まずは、公式ホームページなどで会社情報が明記されているかどうかを確認しましょう。

中には住所は載っているものの実在しなかったり、偽の電話番号が記載されていたりするケースもあります。

可能であれば、実際に住所の場所に足を運んだり、電話をかけて対応を確かめてみたりするのが信頼性を確認する上では最も効果的です。

どうしても自身で確認しに行けない場合は、国税庁のホームページで法人の住所検索などが可能です。

また、資本金の額が少ないと倒産のリスクが拭えないため、資本金の欄も必ずチェックしましょう。

利用審査があるか

契約に際して何の審査も行われないバーチャルオフィスは危険と言えるでしょう。

本来、バーチャルオフィスは厳格な審査や本人確認が義務付けられています。

それにも関わらず、中にはweb上で契約、支払いが済めばすぐに利用できるような会社が存在します。

利用者にとってはやや面倒ではありますが、必ずしっかりと審査を行ってくれる会社を選びましょう。

直接コンタクトが取れるか

対面で直接やりとりできる会社であるかどうかも、見分ける際の重要なポイントです。

優良な会社の中にもweb上の審査のみで契約できる会社がありますが、さまざまなサービスを利用していく上で、一度顔を合わせておいた方が安心です。

また、そうすることで実際のオフィスの外観や雰囲気を知ることもできます。

バーチャルオフィス利用時の注意点


バーチャルオフィスを利用する際、気を付けておきたい点についてご紹介します。

ワークスペースがない

バーチャルオフィスでは会社が実在しないため、ワークスペースもありません。

自宅でできる作業以外に日常的に商談や来客があるような企業には、向いていないといえるでしょう。

そういったことがめったにない、という場合は状況によってカフェやレンタルスペースを利用することも可能です。

他社と住所が同じ

バーチャルオフィスサービスでは、1つの住所を複数の企業が利用します。

バーチャルオフィスを利用していることを公開している場合は問題ありませんが、事前に知らされておらず、後で判明した場合は会社の信用力を問われてしまう可能性も否定できません。

融資を受けにくい

銀行口座を開設しにくいことは前述しましたが、それと同様に融資を受けるのも厳しくなります。

バーチャルオフィスの中には、口座開設や融資関係のサポートをしてくれる会社もあるので活用しましょう。

迅速な対応が難しい

郵便物などの転送サービスは利用できますが、それでも通常よりは1~2日遅れが生じます。 すぐに受け取りたいものがある場合は、あらかじめ直接受け取れる住所を相手に知らせておくといいでしょう。

バーチャルオフィスの住所で法人登記をすることに違法性はありません


いかがでしたでしょうか。

この記事を読んでいただくことで、バーチャルオフィスの違法性、利用できる業種やできない業種、バーチャルオフィスの選び方などについてご理解いただけたと思います。

バーチャルオフィスは単なる住所貸しではなく、正しく利用すれば非常に便利なサービスです。

バーチャルオフィスの内容について理解し、安心安全な企業運営を行いましょう。

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